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先天的と後天的 - 出っ歯治療 | 歯医者・歯科

出っ歯の原因は、先天的なものと
後天的なものに分けられます。

公開日:2021年12月26日 最終更新日:2022年12月1日

監修:顧問指導医

先天的な原因

先天的な原因とは、遺伝的な原因を指します。
ヒトの身体は、親から身長や顔つき、歯の大きさ、歯の形などいろいろな身体の特徴を受け継いでいきます。
これが遺伝です。
親の体の特徴を遺伝によって引き継ぐことで、出っ歯になることもあります。

骨格の異常

先天的な原因 骨格の異常

上顎と下顎の骨格についても、遺伝的に親から子へと特徴が受け継がれます。
上顎骨と下顎骨の前後的な位置関係も同じように遺伝します。
中でも上顎骨と下顎骨の大きさは、遺伝的な影響を強く受けることが明らかになっています。

親に上顎骨と下顎骨の大きさのアンバランスがあれば、子供の顎の骨格もそうなる傾向が強いです。
もし、出っ歯になる顎の骨格上の要素を親から遺伝で受け継げば、子供も出っ歯になるというわけです。

遺伝病

先天的な原因 遺伝病

遺伝病とは、遺伝子の変化に原因のある病気、すなわち遺伝性の病気です。
その中には、染色体異常という遺伝病も含まれています。
染色体異常の多くは、下顎前突、つまり受け口になりますが、中には上顎前突、すなわち出っ歯になるタイプもあります。

出っ歯になる染色体異常の代表が、下顎顔面異骨症という常染色体の優生遺伝による病気です。
下顎顔面異骨症では、下顎骨の成長発育が悪くなり、下顎骨の大きさが小さくなってしまいます。

一方、上顎骨の大きさはこの病気の影響を受けません。
このため、相対的に上顎に比べて下顎が小さくなり、上顎の前歯が下顎の前歯よりも前に出た感じになります。
こうして、出っ歯のような歯並びになってしまうのです。

後天的な原因

後天的な原因とは、成長途上に出っ歯にしてしまうさまざまな原因を指します。

不良習癖

後天的な原因 不良習癖

代表的なものが、指しゃぶりなどのくせです。歯並びを悪くするくせを不良習癖とよんでいます。
不良習癖にはいろいろな種類があります。
歯並びを出っ歯にしてしまうくせとしては、指しゃぶりのほか、唇をかむくせや舌を前に出すくせなどが挙げられます。

指しゃぶりを続けていると、上顎の前歯を内側から前に押し出してしまうために、出っ歯になります。
2歳ごろまでの指しゃぶりなら心配ありませんが、それ以降も指しゃぶりを続けているようなら、くせを治すようにしなければなりません。

唇をかむと、多くの場合は下唇ですが、下顎の前歯が内側に押され、上顎の前歯が内側から前に押されるために出っ歯になってしまいます。
舌を前に出すくせがあると、上顎と下顎の前歯が前に向かって押し出されるので、出っ歯になりますが、同時に上顎と下顎の前歯が噛み合わなくなる開咬という状態にもなります。

開咬を伴う出っ歯では、細い食べ物や麺類などが噛み切りにくくなってしまう噛み合わせの問題も発生してしまいます。
不良習癖の多くは、お子さんが小さい頃から続いていることが多いです。
不良習癖は、出っ歯以外にもさまざまな歯列不正の原因になっていますから、気づいたら早めに治すようにすることをおすすめします。

乳歯の早期喪失

後天的な原因 乳歯の早期喪失

乳歯の早期喪失とは、乳歯が本来生え変わるために抜けるべき時期よりも早く抜けてしまうことを言います。
乳歯が早く抜けてしまうと、抜けたスペースの前後の歯が寄ってくるので、永久歯が生えるためのスペースがなくなってしまいます。

もし、下顎の乳歯に早期喪失が生じたら、抜けた乳歯によっては下顎の歯並びが狭くなることが考えられます。
すると、相対的に上顎の前歯より下顎の前歯が後ろになり、出っ歯になる可能性があります。

乳歯の早期喪失も、出っ歯以外のさまざまな歯列不正の原因になります。
乳歯が抜ける原因は虫歯だけではありません。
転倒や事故など、外傷でも乳歯が抜けてしまうことがあります。
もし、適切な時期よりも早くに乳歯が抜けた場合、放置することなく適切な処置を受けるようにしてください。

耳鼻科の病気

後天的な原因 耳鼻科の病気

耳鼻科の病気と出っ歯と関係があると言われると驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。
例えば、喉のあたりのリンパ組織のひとつであるアデノイドが大きすぎるというアデノイド肥大という病気があります。

アデノイド肥大を起こすと、鼻から気管への道が狭くなってしまうので、花での呼吸が難しくなってしまいます。
このため、口で呼吸する癖がついてしまいます。
口で呼吸すると、上口唇が上顎の前歯を内側に向けて適切に押さえられなくなるので、上顎の前歯が外に傾いてしまい、結果的に出っ歯になります。

アデノイド肥大以外にも、鼻での呼吸を難しくする病気はいろいろあります。
身近なところでは、アレルギー性鼻炎や慢性鼻炎ですね。
そのほかにも扁桃腺の肥大症や左右の鼻を境している鼻中隔という部分が歪んでいる鼻中隔湾曲症、蓄膿症などいろいろな病気が鼻呼吸を難しくすることが明らかになっています。

鼻の具合が良くない方は、放置しないで早めに耳鼻咽喉科を受診して、鼻の状態を診断してもらってください。
耳鼻咽喉科を受診することも、出っ歯を予防するためにとても大切なのです。

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