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ひどい場合 - 出っ歯治療 | 歯医者・歯科

出っ歯になるとどうなるの?
ひどくなる原因も含めて解説

公開日:2021年12月26日 最終更新日:2022年12月1日

監修:顧問指導医

出っ歯は、歯科的には上顎前突とよばれ、歯列不正の一種に挙げられています。
出っ歯は、単に見た目が悪いだけでなく、実はいろいろな症状を引き起こす原因ともなります。

今回は、出っ歯が引き起こす症状や、出っ歯になる原因、そして出っ歯を悪化させる要素などについてもお話しします。

出っ歯がひどい場合の影響

出っ歯がひどいと、どのような影響が出るのでしょうか。

特有の顔つきになる

出っ歯がひどい場合の影響 特有の顔つきになる

出っ歯がひどいと、横顔に影響が出ます。
横顔の鼻のあたりが、下顎よりも前に出たアンバランスな顔つきになってしまいます。

噛みにくくなる

出っ歯がひどい場合の影響 噛みにくくなる

出っ歯になると、上顎と下顎の前歯の先端が触れ合いにくくなります。
前歯を使って食べ物を噛み切るのが難しくなり、麺類のような前歯を使って食べる食事がしにくくなります。

胃腸の不調化

出っ歯がひどい場合の影響 胃腸の不調化

前歯を使って食べ物を小さくすることが難しくなると、奥歯を使って噛み潰すほかありません。
前歯の働きも奥歯に担当させることになるわけですから、食べ物を噛む効率が低下してしまいます。

食べ物をしっかり噛めなくなると、十分に噛み潰せないうちに食べ物を飲み込んでしまうことになり、それだけ胃腸にかかる負担が大きくなります。

胃腸にかかる負担が大きくなることで、胃腸の働きが悪くなる、胃腸の健康が悪化するリスクが生まれます。

お口の乾燥化

出っ歯がひどい場合の影響 お口の乾燥化

出っ歯がひどくなると、上口唇と下口唇が閉じにくくなります。
すると、口が開いた状態となり、お口の中を潤している唾液が蒸発し、お口が乾燥しやすくなります。

特に、乾燥しやすいのが、空気が乾燥する冬場です。
冬場にお口が過度に乾燥すると、その影響はお口の中に止まらず、唇も乾燥し、唇が切れてしまう原因にもなります。

前歯の特徴的な着色汚れ

出っ歯がひどい場合の影響 前歯の特徴的な着色汚れ

食べ物や飲み物に含まれる色素成分が歯の表面についたままになった状態が、歯の着色汚れです。
ステインとも呼ばれますが、着色汚れは、歯の表面が唇に触れていると、ある程度は防げます。

ところが、出っ歯がひどくなり、唇が閉じにくくなると、唇に触れていない面は乾燥しやすいこともあり、着色汚れが強くつくようになります。
唇のラインに沿った着色汚れが前歯につくようになるのも、出っ歯がひどくなった場合の影響の一つです。

虫歯や歯周病のリスク増

出っ歯がひどい場合の影響 虫歯や歯周病のリスク増

唾液には、お口を潤す以外にたくさんの働きがあります。
お口の汚れを洗い流す洗浄作用、虫歯になりにくくする緩衝作用、虫歯菌に溶かされた歯を治す再石灰化作用、お口の細菌の活動を抑える抗菌作用などです。

虫歯や歯周病の原因は、お口の中の細菌です。
出っ歯になり、唾液が蒸発しやすくなると、虫歯や歯周病の原因菌の活動を抑えにくくなります。
再石灰化作用や洗浄作用、緩衝作用などお口の健康を守る働きも弱くなってしまいます。
このため、出っ歯がひどくなると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

出っ歯にさせる、またはひどくさせる要素

出っ歯は、実は生まれ持ったものとは限りません。
日常の生活習慣の中には、出っ歯にする、もしくは出っ歯をさらに悪化させる要素がいくつかあります。

舌癖(ぜつへき)

出っ歯にさせる、またはひどくさせる要素 舌癖(ぜつへき)

舌癖は、舌の癖です。
舌癖にはさまざまなタイプがありますが、出っ歯に関係するものとしては、舌突出癖というタイプが挙げられます。
この舌突出癖は、舌を前に伸ばす癖です。

歯の並びは、唇や頬が外側から押さえる力、舌が内側から押す力のバランスの上に成り立っていることが明らかになっています。
舌を前に伸ばすと、舌が内側から前歯を押す力が、唇が外側から押さえ込む力を上回ってしまうので、前歯が外に向かって傾きを増し、出っ歯になってしまうのです。

口呼吸(こうこきゅう・くちこきゅう)

出っ歯にさせる、またはひどくさせる要素 口呼吸(こうこきゅう・くちこきゅう)

人は本来、鼻で呼吸をする動物です。
何らかの理由で口で呼吸をする癖が身に付いてしまうと、上顎の前歯の裏側の歯肉に当たっているべき舌先が、下顎の前歯の裏側に当たるようになります。

舌には厚みがあるので、このとき一緒に舌の先が上顎の前歯の先あたりにあたると、舌から上顎の前歯を内側から押し出そうとする力が加わるので、出っ歯になります。

咬唇癖(こうしんへき)

出っ歯にさせる、またはひどくさせる要素 咬唇癖(こうしんへき)

咬唇癖は、唇を噛む癖です。
上口唇を噛む癖、下口唇を噛む癖、どちらも起こり得ますが、出っ歯に関係しやすいのは下口唇を噛む咬唇癖です。

下口唇を噛むと、下顎の前歯は内側に押され、反対に上顎の前歯が外側に押し出されます。
こうして出っ歯になるというわけです。
なお、上口唇を噛む癖があると、反対に受け口になります。

弄指癖(ろうしへき)

出っ歯にさせる、またはひどくさせる要素 弄指癖(ろうしへき)

弄指癖は、指を噛む癖、一般的には指しゃぶりとして知られている癖です。
指を噛むと、上顎の前歯が外側に向かって傾き、反対に下顎の前歯が内側に向かって傾いてしまいます。このため、出っ歯になります。

指しゃぶりは、お子さんの歯並びを悪くする癖の代表として知られています。赤ちゃんの指しゃぶりは心配ないのですが、3歳頃になっても指しゃぶりを続けているようなら、歯並びを悪くさせかねないので、やめさせるようにしましょう。

まとめ

今回は、出っ歯がひどいとどのような症状が出るのか、また、出っ歯にさせる、もしくは出っ歯を悪化させるような要素についてお話ししました。

出っ歯がひどくなると

①特有の顔つきになる

②噛みにくくなる

③胃腸の不調化

④お口の乾燥化

⑤前歯の特徴的な着色汚れ

⑥虫歯や歯周病のリスク増

などの悪影響が生じます。

出っ歯は、
舌癖などのさまざまな癖で生じ、そして悪化していきます。
出っ歯がひどくなる前に、こうした癖に心当たりがある方は、癖を治しておくことが大切です。

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