若年性歯周炎
幼児期から10代の若年者に起こる歯周病です。
特徴は歯周組織の破壊が高度な点です。
原因不明で一般的な治療では治らない事が多い疾患です。
歯周炎の広がり方によって2つに分けられます。
若年性全部性歯周炎
・発症は極めてまれ
・乳歯が生えてきた頃に発症。
・急激な歯周組織破壊が起きて早期に乳歯が脱落。5歳前後で全ての乳歯を喪失してしまう。
・永久歯も同様な経過をたどり、全部の歯が抜け落ちてしまう最も予後不良な歯周疾患
・他の全身疾患(Papillon-Lefevre症候群やDown症候群、周期性好中球減少症など)と合併する事が多い。
・家系的にみられる場合もありため遺伝も考えられる。
治療方法
・決定的な治療法は無く、対症療法が主な治療
正しい歯磨き、歯石除去、抗生物質の服用、ぐらつく歯の固定などの処置を行う。
ただ、進行は阻止できないため、やがてすべての歯が抜け落ちてしまうため総入れ歯を装着する事となる。
若年性限局性歯周炎
発症は10代の思春期。
歯周病変は第1大臼歯と切歯(一番前の歯)に限られ、急速に歯周組織の破壊が起きる。
時として20代、30代前半にもみられる。
思春期以降での進行は遅い傾向があり、進行が止まる事もある。
特徴は
・病変部に歯垢や歯石も少なく、歯肉には炎症が無いように見えながら深い歯周ポケットが形成されて、垂直的骨吸収がみられる
・歯のぐらつきや歯の移動(すきっ歯になったり、出っ歯になったりする)を伴う
・局所の治療の効果がでるので早期発見、早期治療が大切
治療方法は薬剤(抗菌剤・抗生物質)による治療が主ですが、効果が出ない場合は細菌検査の上特殊な薬剤を用いて治療する必要があります。