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大人の下顎前突症について - 受け口 | 歯医者・歯科

大人の下顎前突症の治療法

公開日:2021年12月26日 最終更新日:2022年12月1日

監修:顧問指導医

受け口は、正式には下顎前突症や反対咬合とよばれる歯列不正のひとつです。
受け口の治療法は大人と子供で違いますが、大人向けの治療法の中でもさまざまな種類があります。 大きく分けると、歯に原因のある歯性の下顎前突症の治療法と、骨格に原因のある骨格性の下顎前突症の治療法です。

それぞれ、さらにそこからさまざまな治療法に分かれていきます。
このように、大人の方の下顎前突症の治療法は多岐に分かれているのが特徴です。
そこで今回は、大人の方の下顎前突症の治療法についてご説明します。

歯に原因のある下顎前突症の治療法

歯性の下顎前突症の治療法は、大きく分けると3種類です。

マルチブラケット矯正

ストレート・コンベックス・コンケイプ

マルチブラケット矯正は、歯の表面にブラケットという金具をつけ、ブラケットの溝を利用して全ての歯に形状記憶合金で作られたアーチ状のワイヤーを通す矯正治療です。
矯正治療としては最もオーソドックスな方法になります。

このワイヤーの復元力を利用して、歯を移動させていきますので、ワイヤー矯正という呼び方もされています。
ほぼ全ての歯列不正の矯正治療に使えるのが利点ですが、複雑な矯正装置が歯についたままになるので、目立ってしまう、食事や歯磨きがしにくいといった難点もあります。

最近では、歯の裏側に矯正装置をつけるマルチブラケット矯正も普及しています。

マウスピース矯正

面長・標準・短頭形

マウスピース矯正は、マウスピースを矯正装置として利用する矯正治療法です。
マウスピース矯正で使うマウスピースは、透明でとても薄いので目立ちにくいのが利点です。

このマウスピースを定期的に新しいものに交換することで、少しずつ歯を移動させて歯並びを整えていきます。
マウスピースですから、目立ちにくさに加え、食事や歯磨きのときに自由に取り外せるという利点もあります。

このマウスピースを定期的に新しいものに交換することで、少しずつ歯を移動させて歯並びを整えていきます。 マウスピースですから、目立ちにくさに加え、食事や歯磨きのときに自由に取り外せるという利点もあります。

インプラント矯正

面長・標準・短頭形

インプラント矯正は、歯科矯正用アンカースクリューというネジのような小さなインプラントを歯肉から顎骨に設置し、これにゴムをかけて矯正力を発揮させる矯正治療です。

例えば、マルチブラケット法では、大臼歯という最も奥に生えている、最も大きな歯を支えにして歯を移動させます。
このとき、大臼歯は他の歯を移動させるための支えになるので、この歯は原則的に移動させられません。

ところが、インプラント矯正ならアンカースクリューを支えにするので、大臼歯も動かすことができます。 大臼歯を後ろに移動させることができれば、歯を抜歯しなくても歯を並べるスペースが得られるかも知れず、そのほかにも利点があるインプラント矯正はなかなか優れた矯正治療といえます。

骨格に原因のある下顎前突症の治療法

骨格性の下顎前突症の治療法は、顎の骨格の改善が必要なので、顎矯正手術という外科矯正になります。
顎矯正手術の方法は、いくつかありますが、いずれも大きな手術になるので、入院して全身麻酔で行う手術です。

なお、骨格性下顎前突症の治療は、顎矯正手術だけでは終わりません。 顎矯正手術の前後に、歯列矯正を行い、歯並びをある程度整えておく必要があるからです。

手術前後の矯正手術は、基本的にマルチブラケット矯正で行われます。

下顎骨の顎矯正手術

下顎骨の顎矯正手術は、下顎枝矢状分割術(SSRO)下顎枝垂直分割術(IVRO)の2タイプから選ばれます。
いずれも、下顎骨の後ろ部分の下顎枝というところで下顎骨を切断して分離し、顎骨を後ろに下げる手術になります。

Eラインでの判定方法

どちらの方法が適しているかは、下顎前突症の症状によって決まります。

上顎骨の顎矯正手術

下顎前突症なのに、上顎骨の顎矯正手術がどうして必要なのか、不思議に思われる方もいらっしゃることでしょう。
実は、下顎前突症の中には、上顎骨の成長が不足し、上顎骨を前に移動させなければ下顎前突症の改善が見込めないという症例があるのです。

そこで、上顎骨の顎矯正手術を行なって、上顎骨を前に移動させるわけです。 下顎前突症向けの上顎骨の顎矯正手術としては、ルフォー(Le Fort)Ⅰ型骨切り術が選ばれます。

ルフォーⅠ型骨切り術は、鼻の下で上顎骨を分離し、上顎骨を一塊として動かす手術で、下顎前突症の治療に使う場合は、前方に移動させて、チタン製のミニプレートなどで固定します。

Sラインでの判定方法

顎間固定術

Sラインでの判定方法

下顎前突症なのに、上顎骨の顎矯正手術がどうして必要なのか、不思議に思われる方もいらっしゃることでしょう。
実は、下顎前突症の中には、上顎骨の成長が不足し、上顎骨を前に移動させなければ下顎前突症の改善が見込めないという症例があるのです。

そこで、上顎骨の顎矯正手術を行なって、上顎骨を前に移動させるわけです。 下顎前突症向けの上顎骨の顎矯正手術としては、ルフォー(Le Fort)Ⅰ型骨切り術が選ばれます。

ルフォーⅠ型骨切り術は、鼻の下で上顎骨を分離し、上顎骨を一塊として動かす手術で、下顎前突症の治療に使う場合は、前方に移動させて、チタン製のミニプレートなどで固定します。

まとめ

今回は、大人の方向けの下顎前突症の治療法についてお話ししました。
歯性下顎前突症の治療法は

①マルチブラケット矯正
②マウスピース矯正
③インプラント矯正

骨格性下顎前突症の治療法は
①顎矯正手術(下顎枝矢状分割術・下顎枝垂直分割術)
②顎矯正手術(ルフォーⅠ型骨切り術)
などが主となります。

いずれの方法にもメリットやデメリットがあります。
治療法を選ぶ際には、症状だけでなくメリットやデメリットを十分理解することが大切です。

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